フランス装丁の書籍
なかなか珍しい本です。
フランス装(アンカット装)とも言います。
古本に始めて商売として触れた時、「なんだこの不良品の本は!」と勘違いした本です。
ページが閉じられており、カットされていないので「読めないのです」
当店に入荷した時は、結構相場の高い本でしたので捨てることもできず、ずっと置いていました。
古本屋としては原価率の高い本でしたが、売ろうに売れず置いていたのです。
あるとき、近所のベテランの古本屋さんが当店を訪れた時「おっ珍しいの入ってるね」とその本を見て言うのです。
恥ずかしながらその時始めて知ったのです。
昔、フランスで「あなたが始めてこの本をあける」という意味で、未裁断の本を販売していたことを。
不良品ではなかったのです。なかなか洒落た事しますね。フランスの方。
危うくハサミでカットして販売するところでした。
知らないって怖いですね。
それ以来、ごく稀に日本の高価な本や特装本に稀に見かけます。
知ってしまえば、とてもいい本に見えるから不思議なものです。